仙変万化



 顔面に浴びた南天酒を思い切りゴックンと飲み込んでしまった東雲は、そのまま意識を失って、蕾の腕の中にドサッと倒れ込んだ。
「東雲っ!?」
 焦ったのは事情のわからない蕾だ。しっかりしろッ、と身体を揺さぶってみるが東雲はピクリともしない。
「どういうことだっ」
 周りに問いただすも、透を含め事情を知っている他の者たちは、まったく予想外な事態に加えて蕾の剣幕に圧倒されてしまっていて、とっさに言葉を返すことができない。
 埒のあかない反応に業を煮やした蕾は、東雲を抱えると夜空へ飛び立った。

「お、オイ、蕾っ、おまえドコ行くんだよ!」
 ようやく我に返って慌てて叫ぶ透に、
「とりあえず東雲をマンションに運ぶから、おまえ達は薫が目覚めるのを待って一緒に連れて来い」と言う声だけ残して、蕾はあっという間に見えなくなってしまった。

 残された透と藍影将軍、香候王、理拝教授の四人は顔を見合わせる。南天酒を飲んだ東雲がどんな風になってしまうのかはイマイチ想像できないが、それに対して蕾がどんなリアクションをするかは、普段のあの二人を知っている者ならばなんとなく想像がつく。
 触らぬ神に祟りなし、ということで四人は蕾の言いつけ通り薫の目覚めを待つことにした。



   



 マンションまでやって来た蕾が、東雲を透のベッドに下ろした時、ちょうど東雲が目を覚ました。
「ん…」
「東雲ッ」
「……蕾?」
「大丈夫か。 おまえ、いきなり倒れたんだぞ」
 東雲はぼんやりと蕾を見ていたが、特に具合は悪くはなさそうだ。
 ひとまず安堵した蕾は、身体を起こそうとする東雲に手を貸してやる。

 だが、蕾がホッとしたのもつかの間、起き上がった東雲の口から、耳を疑うような台詞が飛びだした。




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紫陽花の別名「七変化」にちなんで、「天上楽士団」の南天酒を飲んじゃった東雲ネタです〜
いろいろアレなんで、次ページの注意書きをお読み下さい^^;



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